コラム
大型精密検査装置用コア部品の加工技術と厚み公差管理

製造現場では、大型製品の精度検査において、検査装置そのものの精度が結果に直結します。特に、穴加工や面精度の確認が必要な大型製品では、検査装置のコア部品の加工精度が非常に重要です。本記事では、大型精密検査装置用コア部品の特徴、加工技術、厚み公差の管理ポイントについて詳しく解説します。
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検査装置用コア部品の役割と構造
大型精密検査装置のコア部品は、製品が精度よく穴加工されているかを確認するための中心的な部材です。中心部にはU字の面加工部分があり、この部分が検査装置に挟み込まれるため、面精度や厚み公差が非常に厳しく設定されています。
コア部品の設計ポイント
- 中心部のU字切り欠き部分が試験機本体に接合されるため、接合精度が高くないと検査自体の精度にかかわる重要な切削加工箇所となる
- 面精度の確保が検査結果の正確性に直結
- 厚み公差の管理で装置全体の測定精度を維持
この設計により、検査装置は大型製品の微細な穴や面のずれを正確に計測でき、品質保証に欠かせない役割を果たします。
高精度穴加工とノックピンの設置
U字切り欠きの架空中心点から翼の両側に、800±0.1の位置にφ10のリーマー穴を加工します。このリーマー穴部分にノックピンを立て、被試験体の精度を計測します。わずかなズレも測定に影響するため、穴加工の精度と位置決めの正確さが求められます。
加工工程のポイント
- 高精度リーマー加工でφ10穴を正確に配置
- U字切り欠き面の研削・仕上げ加工で面精度を確保
- 厚み公差の測定と管理により装置の信頼性を維持
このように、コア部品の精密加工が、検査装置全体の精度を決定する重要な要素となります。
大型機械加工・門型マシニング加工の活用
本事例に限らず、当社では大型機械加工や門型マシニング加工を活用し、社内加工品を中心に板金部品・製缶品・樹脂加工品など幅広く対応しています。群馬県太田市を中心とする協力会社ネットワークを活かし、精度が求められる部品の製作にも柔軟に対応可能です。
当社の加工体制
- 社内設備による高精度加工
- 協力会社ネットワークで大型部品の対応
- 厳密な品質管理と検査体制
この体制により、精密部品の製造から納品まで一貫して高品質を維持できます。
厚み公差と面精度の管理
大型精密検査装置用コア部品では、厚み公差と面精度の管理が非常に重要です。U字切り欠き部やリーマー穴の寸法が微妙にずれるだけでも、検査結果に誤差が生じるため、加工後の測定や検査を徹底しています。
管理のポイント
- U字切り欠き面の平面度測定
- 厚み公差の精密測定
- 完成品の検査装置への適合確認
これにより、大型製品の精密穴加工検査に必要な精度を確保しています。
高精度加工で実現する検査精度と信頼性
当社の大型精密検査装置用コア部品は、U字切り欠き面の高精度加工、φ10リーマー穴の正確配置、厚み公差管理を組み合わせることで、検査装置全体の精度と信頼性を最大化しています。
加工精度と品質管理を徹底することで、被試験体の測定誤差を最小限に抑え、製造ラインの精密検査を支えます。
また、大型機械加工や門型マシニング加工の活用により、社内加工品から協力会社ネットワークを活かした大型部品まで、幅広い対応が可能です。
精密部品の製造でお困りのお客様は、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。