コラム
食品充填タンクの精密加工技術とSUS304の活用

食品製造現場では、液体食品の充填精度や衛生管理が製品品質に直結します。
特に、飲料や乳製品、液体調味料などを扱う製造ラインでは、充填工程の中心となる食品充填タンクの設計と加工精度が非常に重要です。
本記事では、食品充填タンクの特徴や加工技術、設計・品質管理のポイントについて詳しく解説します。
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食品充填タンクの役割と構造
食品充填タンクは、液体食品を効率的に充填し、下部の分別機構へ均等に落とし込む重要な部品です。タンク内部には液体が流れる穴付きプレートが設置されており、設計と加工精度が充填精度に直結します。
タンクの特徴は次の通りです。
- 液体食品を下部の分別機構に均一に導く
- 内部プレートには12個の穴を設置
- 穴の配置や寸法精度が充填ムラを防止
- タンク形状や傾斜角度が流体のスムーズな流れに影響
このように設計されたタンクは、液体食品の流れを安定させることで、ライン全体の充填精度を向上させ、品質のばらつきを最小限に抑える役割を果たしています。
SUS304ステンレス鋼の採用と利点
当社では、食品機械に最適な素材としてSUS304ステンレス鋼の加工も得意としています。SUS304は耐食性と耐久性に優れ、食品衛生法にも適合するため、長期にわたって安定した性能を維持できます。素材選定のポイントは次の通りです。
- 錆びにくく、清掃性が高い
- TIG溶接との相性が良く、溶接部も美しく仕上がる
- 高い強度で液密性・耐久性に優れる
この素材を使用することで、タンク内部の液体接触面も衛生的に保たれ、長期間にわたり安定した充填性能を提供できます。
高精度加工で液体の流れを制御
タンク内部の穴付きプレートは、液体食品の流れを正確に制御するため、高精度な加工が不可欠です。当社では門型五面加工機を用い、Ra0.1の面粗度で切削加工しています。この高精度加工により、液体食品が穴の外にはみ出すことを防ぎ、充填の均一性を確保します。
加工後には、次の仕上げ工程を行っています。
- バリを最小限に抑える加工条件の選定と、バリ除去の最終仕上げ
- 高精度面加工による食品が接触する面の凹凸の排除
- 衛生面と作業効率の両立
これにより、液体の流れをスムーズにしながら、メンテナンス性も高めています。
衛生面と作業性の両立
食品充填タンクは、衛生管理と作業効率の両立が求められます。当社のタンクは液体の流れを均一化し、詰まりや液だれを防止する構造です。内部は洗浄が容易な設計となっており、作業者の負担を軽減します。これにより、ライン全体の稼働効率が向上し、衛生面のリスクも最小化されます。
高精度加工とSUS304素材による安定稼働
当社の食品充填タンクは、SUS304素材の採用、TIG溶接による筐体製作、高精度プレート加工、厳密な品質管理を組み合わせることで、液体食品の充填精度と衛生面の安全性を最大化しています。
高精度加工により充填ムラや液だれを防ぎ、製造ラインの効率向上にもつながります。
また、タンクは製造ラインや液体食品の種類に応じてカスタマイズが可能で、幅広い食品製造現場に対応できます。
食品機械の中心部品である食品充填タンクは、ラインの安定稼働に欠かせない存在であり、当社は今後も高精度加工技術を活かして、安全で効率的な食品充填ラインを支える製品開発に取り組んでまいります。
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