コラム
食品加工機械用アルミ部品の高精度加工技術

食品製造の現場では、日々の生産効率や製品品質を維持するために、様々な専用機械が稼働しています。その中核を担うのが、食品加工専用機械の部品です。
今回は、食品製造工場向けに納入した高剛性ジュラルミン製部品の製作事例を通して、アルミニウム加工における注意点や技術的ポイントをご紹介します。
食品加工機械におけるアルミニウム部品の重要性
食品加工分野で使用される機械部品には、軽量性・耐食性・熱伝導性といった特性が求められます。その中でもアルミニウムは、鉄鋼材料と比較して約3分の1の比重しかなく、熱の伝わりが早いため、加熱や冷却の効率を高める部品に最適な素材です。
今回製作した部品群は、食品加工機械の構造部や機能部として使用されるもので、いずれも熱伝導率の高いアルミニウム素材を採用しています。特にジュラルミン(超々ジュラルミン含む)は、アルミニウム合金の中でも高い剛性と耐摩耗性を併せ持ち、機械部品として非常に優れた性能を発揮します。
アルミ加工の難しさと対策
アルミニウムは柔らかく、加工しやすい金属とされますが、実際の機械加工では非常にデリケートな素材です。切削時の切子やわずかな打痕でも表面に傷がつきやすく、特に外観が重視される食品機械部品では細心の注意が必要です。
加工時の主な注意点としては以下の通りです。
- 表面傷防止の養生
加工前後のハンドリング時には、樹脂シートや緩衝材で表面を保護。治具との接触面もクッション材を介して固定します。 - 切削条件の最適化
アルミは切削熱がこもりやすく、刃先への溶着が発生しやすいため、適切な切削速度と切込み量、切削油の使用が必須です。 - バリ・切子の徹底除去
微細な切子が残ると組立時の不具合や食品衛生面での問題につながるため、加工後の洗浄やエアブローを徹底します。当社では、こうした注意点を踏まえたアルミ専用の加工ノウハウを有しており、外観品質と寸法精度を両立した部品製作が可能です。
大型アルミ部品加工への対応力
今回の部品群の中には、長尺かつ多穴加工が必要な大型アルミプレートや、複雑形状のブロック部品も含まれます。これらの加工には、長手方向の精度維持や熱変形対策が欠かせません。
当社では、
- 大型マシニングセンターによる長尺ワークの一体加工
- 五面加工機による多面同時加工
- 焼鈍処理や応力除去処理による変形防止
といった工程を組み合わせることで、大型アルミ部品の安定した製作を実現しています。
アルミ加工でお困りの方へ
- アルミの機械加工で精度と外観品質を両立したい
- 大型アルミ部品や長尺部品を高精度で加工したい
- 食品機械向けの衛生対応部品を製作したい
こうしたニーズをお持ちのお客様は、ぜひ当社にご相談ください。豊富な加工実績と専用設備、そして現場で培ったノウハウで、最適なご提案をいたします。
製品のご相談や試作のご依頼は、こちらのお問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。